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冬の釣鐘

除夜の鐘まであと2日。
一年が過ぎるのは早いものです。なんとか今年も無事に年を越せそうです。

載せるのは12月18日のもの。

花の季節をとうに過ぎても、鐘鳴らすかのように咲く植物がふれあいの里にあった。

ツリガネニンジン

水滴を纏って咲く姿。
枯野の中に凜とした清楚さを湛えていた。
蕾も最後の最後まで萎れることなく咲いてみせるぞ、と言っているかのようだ。



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秋に見るツリガネニンジンより白いのは種類によるものか、それとも冬ならではものなのか・・。
厳しい寒さに耐えてきた誇りのようなものを感じた。




この日の午後、我が家の庭にキタキチョウが飛んだ。
午前中の暖かい日差しも、午後には北風が強くなり寒さを感じた。

ペチュニアにて吸蜜後、葉に止まる。
逆光に翅が透けてこちらも美しい。




冬の釣鐘_b0301570_20331157.jpg




カメラに気付いたのか緩く飛んで、隠れるかのように軒下のランタナに潜って止まった。



冬の釣鐘_b0301570_20350477.jpg



ほっとけばここで越冬するかのように感じた。


ああ、ここは駄目。ランタナは年も越えれば葉が枯れる。

それに数年前、ランタナ近くに植えてあるラベンダーであなたの仲間が越冬し、
3月に息絶えたでしょ。
http://plaza.rakuten.co.jp/5040miya/diary/201303020000/

軒下の環境は水分が無く日陰。越冬は命取りだよ。

私は隠れているチョウを無理やり追い出した。
キタキチョウはふらふらと風に煽られ飛んで、我が家の垣根を越えて他家の家庭菜園に消えた。


植物もチョウも今年を終える。
年を越えても試練の季節が続くけれど、頑張って無事に春を迎えて欲しいものです。


私のブログも今年はこれで終わりにしたく思います。
一般的に見られるチョウや八重山探索、早春のネコノメソウやシーズンを終えても咲く花に着目し、
いきものからたくさん学び、感動のあった2016年でした。
ありがとうございました。


皆様、良いお年をお迎えください。















# by MIYAKOUTA5040 | 2016-12-29 18:36 | 野草 | Comments(14)

三河のムラサキツバメ  2016年末


クリスマスも終わりました。

もうすぐ今年も終わってしまいます。

この冬、私は越冬しないヤマトシジミやツマグロヒョウモンにずっと付き合う気持ちで野に出ていました。
越冬するチョウにはその後でも会える。

12月も後半になり、越冬できないチョウ達の姿はなくなりました。


そろそろ越冬集団を見に行こう。



ムラサキツバメ

今年の三河は寒いと言っても日中は気温が上がることが多い。
だからか集団となる場所に到着すると翅を広げていましたよ。


♂の姿



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00531896.jpg



表翅が濃い紫。深い紫色を表現するのが難しいチョウだ。




三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00211698.jpg




翅閉じて空を見る。
このチョウの大きな目は、厳しい冬を越えて 春に飛ぶのを想い描いているのか。




三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_01121396.jpg



♀の姿
さまざまな波長が青の煌きを織り成す。

この構造色、ゼフィルスならば雄の特徴なのに、どうして雌が有しているのでしょうか?



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00215533.jpg



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_01115802.jpg



♂♀並んで開翅も見られた。



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00212460.jpg



♀は少し翅を閉じ気味にし、水色が青色に変わった!



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00213339.jpg




春まで一緒に寄り添おう とでも♂が言っているかのようです。



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_01143536.jpg



あちこちでチョウ達は暖かな日差しを浴びてくつろぐ。



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_01102320.jpg




ムラサキツバメの塒は飛び出している数が多くて4頭程度でした。

おそらく日向ぼっこしているチョウ達が集まれば15~20頭ほどになるのかな。
寒くなるとこの葉で身を寄せ合うんだね。



三河のムラサキツバメ   2016年末_b0301570_00220166.jpg


ちょこんと後ろ翅に尾状突起が見える。これがムラサキツバメの特徴。
可愛いですよね。


年明けも応援に行きましょう。


PS.
こんな愛らしいムラサキツバメをムラツ。ムラサキシジミをムラシと多くの方が呼び、ブログにも書き込まれる。
そんなに長いチョウの名前でもないのに何で略すのでしょう。
皆、当たり前のように使っているのですが、
私には親しみが込められた呼び名には思えない・・
チョウを見下しているような感じがしてしまいます。
私は子供達にこのチョウをムラツ、ムラシ、なんて呼んで欲しくない。








# by MIYAKOUTA5040 | 2016-12-26 19:08 | ムラサキツバメ | Comments(14)

小さなツリー


ささやかですが、クリスマスツリーを野で見つけてきました。


えっ、クリスマスツリーには見えない・・

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あれ、ヒメオドリコソウ?それともホトケノザ?

一瞬分からなくて、ヒメオドリコソウだよね。と思いながらも調べたら、
モミジバヒメオドリコソウだった。


知らなかったなあ、そんな野草があるとは。


ホトケノザとヒメオドリコソウの交雑種起源の種であるとされており、
形態的にもその2種の中間的な形質を示す。

なるほどね!



これならどうだ、ホワイトクリスマス・・・だろう?


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やっぱ無理あるか。失礼をば致しました。




皆さん良いクリスマスを!

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ムラサキシジミ 12月18日





# by MIYAKOUTA5040 | 2016-12-24 19:31 | 野草 | Comments(12)

Catch

枯れた草木が多い冬。フィールドのチョウや野草を対象に観察をしている私にとって、写真の数が激減する季節だ。
それでも歩いていれば何かに気が付くこともあり、地味な光景だからこそ想像を深める機会もままある。

例えば、最近こんな場面に出くわした。綿毛の種がコセンダングサの種に絡みついている。



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白い綿毛が貼りつく姿。お互いを労わるように寄り添い、何を話しているのでしょうね。

綿毛の種の主はテイカズラだろうか?
木の幹や枝に絡んで成長するこの植物、
私は木の上からこんな景色を見た・・なんて囁いていたりして・・・


コセンダン草は動物の体毛や人の衣服に付着して遠くに運ばれる。
綿毛を持った種は風にて遠くに運ばれる。
そうやって植物は勢力範囲を広げてきた。

そんな機能をともに果たすことなく、コセンダングサの種に飛んできた綿毛の種が出会う。

まもなく着地するその間際にコセンダングサに引っかかったのか?
風の悪戯にしてはすごい低確率な出来事なんだろう。

コセンダングサにしつこく絡んだ種はおそらくその場に落ち、
コセンダングサも動物に運ばれること無くその場に落ちる。

やがて両方共に芽を出す。。

なんて確率は0に等しいのだろうけれど、
そんな他愛無い想像をしてしまうのも冬だからこそか。




載せるチョウはツマグロヒョウモンのオス。

おそらく今シーズン最後に見るアザミでの吸蜜の姿かな。




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こちらはチョウが花を刺激すると、おしべとめしべの隙間から白い花粉が出てくる巧妙な仕掛けで、受粉する。

真冬の枯れる寸前までその行為を諦めないアザミも逞しい。
(上の画像のアザミの花先の白い部分が花粉)


ツマグロヒョウモンよ!

君も南国系のチョウのクセしてこんな寒い時期まで残り逞しい。
周りにメスが居なくて寂しいだろうけれど、立派に植物に貢献しているよ。



ツマグロヒョウモン  12月10日  
絡んだ種   12月18日

いきものふれあいの里にて







# by MIYAKOUTA5040 | 2016-12-20 19:10 | 野草 | Comments(14)

12月のキタキチョウ

冷たい風が吹く週となりました。
越冬するチョウ達は、ようやくじっとどこかに止まって寒さに耐えるようになったのかな。

と言うのもこの12月の先週まで、飛ぶチョウの姿が頻繁に見られました。

一見キタキチョウは越冬態勢に入ったかなと思う容姿ですが、11時位になると飛び出しました。



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そんな中、12月3日に見つけたキタキチョウ。口吻を伸ばしきり、翅は半開き。
キタキチョウは翅を閉じて止まるのが通常なのに。

亡くなっているのかと感じてしまう姿だけれども、眼はまだ生きている色だ。
このチョウは衰弱しているのだろうか?



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観察を終え、家に着いてから画像を見直す。・・・生気が感じられない。

頭の中にこの姿が残ってしまい、翌週12月10日に再び訪れる。

居なかった。 が、止まっていた場所のすぐ近くにいた。

なんだ生きていたのか・・
そう思って写真を撮るが、このチョウが前の週のチョウではないことにすぐに気が付く。

蛹に止まっている。どうやら12月10日にこのチョウは羽化したのだ。


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前の週に見たキタキチョウは何処へ行ったのか。

そして越冬の宿命を背負って12月に羽化したキタキチョウは、吸蜜する事も無く冬を過ごすのか。


自然の営みの厳しさを感じました。


いきものふれあいの里

 




# by MIYAKOUTA5040 | 2016-12-16 20:46 | キタキチョウ | Comments(12)